5月22日(日)
永代経法要が勤められ、大勢の皆様がお参りくださいました。
これまで専行寺にご縁のあったすべての方のご法事であり、永代にわたってお経が読み継がれ教えが伝えられていくことを願って勤められます。
ご法話は佐々木正先生(草愚舎主宰・萬福寺前住職)から「浄土真宗の救い―妙好人に学ぶ―」をテーマにお話しいただきました。
「妙好人」とは、浄土真宗の信者の中で、江戸時代以降、在俗の無学文盲と呼ばれた読み書きそろばんのできない無名の庶民の中に生まれた篤信の念仏者です。「妙好」とは梵音で「芬陀利華」。元来は「白蓮華」を意味し、白い蓮華のような浄らかな信心を篤く身につけた信徒たちを讃えて呼ばれる言葉です。民芸運動の提唱者・柳宗悦、欧米に禅を広めた鈴木大拙らも心を打たれ、著作で取り上げられています。
ご法話にあった物種吉兵衛さん(大阪・堺)のエピソードが心に残りました。死の問題にぶつかり、「死んでいけませぬ」という問いを抱えて放浪遍歴。50歳の頃に出会った元明師の「死なれたらそれでよいか」の返答で、命がけの問いが瞬時に解決。その直後に吉兵衛さんの胸に浮かんだのが「本当に死ぬことが知れたら、毎日勇んで日が送れるのや」という言葉でした。そこには「生から死を見る目」から「死から生を見る目」への転換があります。「浄土」や「天国」という宗教用語で教えられる人間の問題が、死後の世界としての未来のことでなく、今現在の生き方の中に内蔵されていることを教えてくれているのでありましょう。
※次回の定例法要は、7月10日(日)に勤められるお盆法要です。法話は藤本愛吉先生(大谷専修学院 元指導主事・三重 正寶寺住職)。ぜひお参りください。